お知らせ

2021.11.29

【人事のサポ子】こんなときどうする?在宅勤務の勤怠管理

2021.11.29

この物語は、ドリーム企画という企画会社の人事部・土里サポ子(入社2年目)が会社で起こる様々な問題に仲間と一緒に取り組んでいくトキメキ奮闘記である。

サポ子:森谷さん、在宅勤務しているBさんが提出してくれた勤務管理表を見ているのですが、終業時間の後にお客様にメールを送っているようなのです。どういうことなのでしょう。

森谷:そうか・・・。うちの会社は社員の自己申告制で始業時刻・終業時刻を勤怠表に入力してもらっているけど、オフィスとは違って姿が見えないから、実態が見えづらいところがあるね。改めて、うちの会社でも在宅勤務が定着してきたことだし、勤怠管理の方法を見直してみようか。

***************

■勤怠管理の原則は「客観的・適切」に

平成29年1月20日に策定された労働時間の適正な把握のための使用者向けの新たなガイドラインでは、下記のように決められています。在宅勤務の場合も、原則どおりです。

<原則的な方法>
・ 使用者が、自ら現認することにより確認すること
・ タイムカード、ⅠCカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として

確認し、適正に記録すること

社員の自己申告制のみで勤怠報告をするケースは、上記の原則的な方法を行えない場合の、やむを得ない方法とされています。

在宅勤務での勤怠管理Q&A

Q._オフィスに比べて、誰がどのように働いているかが一目で見づらく、隠れて時間外労働や休日労働が増えそうです。「隠れ残業」対策、何かないですか?

A._今までは自己申告制であっても何となくオフィスで上司が働いている様子を視認できていましたが、皆が在宅になると難しくなります。

在宅の場合は、一層適切に自己申告をする必要性があることを社員本人に周知する必要があるでしょう。また、在宅勤務時は始業時・終業時に上司にメールするなどのルール導入を検討しても良いでしょう。或いは、定期的にパソコンの起動ログなどと勤怠報告との乖離を確認し、著しい乖離がある場合は社員に確認するなどの仕組みを取り入れることをお勧めします。

———————————————————————————————-

Q._テキストベースでのコミュニケーションが増え、相手の様子を見ながら話す場合より手間や時間がかかるという不満や、オンとオフの切り替えが難しいという話がでています。

A._また、在宅勤務の場合、終電も関係ないため、深夜労働も行いやすくなります。そのため、在宅勤務の場合は原則深夜労働を禁止する、という会社もあります。その会社の特徴・働き方によって対応は異なりますが、働く様子が見えにくいからこそ、時間外労働・深夜労働を在宅勤務で行う場合は、申請フローを設けて上司が確認しやすくする仕組みづくりも必要でしょう。

最初はテキストべ―スでコミュニケーションしていても、途中で電話やWeb会議への切り替えをする方法もあります。また、テキストベースでコミュニケーションすることは、ログが残りますし、文章にすることで、伝える側の整理にもなる利点もあります。適宜、使い分けていけると良いですね。

———————————————————————————————-

Q._自宅勤務やリモート会議が可能になることで、中抜けも物理的に可能になったが、どうしたらよいでしょう?

A._使用者としては、始業時刻と終業時刻を把握していれば、中抜け時間を把握する必要はありません。しかし、その会社でそもそも中抜けを許可するか、中抜けする場合のルールをあらかじめ決めておく必要があります。中抜けの場合の取り扱い例は下記となります。

  • 中抜け開始時刻・終了時刻を報告してもらい、その時間は休憩時間とする。また、必要に応じて始業時刻の繰り上げまたは終業時刻を繰り下げる
  • 時間単位の年次有給休暇として取り扱う

在宅勤務の定着によって、以前より柔軟な働き方が可能になりました。起こりうると想定される状況については、社内で対応についてあらかじめ検討しておくと、良いでしょう。

サポ子のスッキリ! ポイントまとめ

  1. 在宅勤務の場合も勤怠管理は基本原則どおり
  2. 顔が見えないからこそ適正な報告の大切さを周知しよう
  3. 在宅勤務の場合の始業・終業時刻の報告方法、残業や中抜けの可否やルールを見直し、決定しよ